「知っている」と「使える」には、大きな差がある
でも、日常生活で、なかなか活かせないわ
選択理論の提唱者グラッサー博士は、選択理論を身につけるには、ロールプレイをするのが一番の近道と言っているわ
日常生活でよくある架空の事例を使って、カウンセラー役かクライアント役かを実際にやってみるの
例えば、ストレスがある事例で、ロールプレイをしていると、カウンセラー役は、ハッと気づくのよ。「クライアント役は、自分でコントロールできないことにフォーカスしているからストレスを抱えている」とね。
クライアント役は、ロールプレイで普段ありえないようなシチュエーションを演じることになるの。演じるといっても、クライアント自身の頭にあるものしか出てこないのよ。カウンセラー役の質問に答えていくうちに、クライアント役も、「自分がコントロールできないことにフォーカスしていた」と気づき、ハッとするのよ
レジ係の言動にイラッとしたとき、
「人の行動には、目的がある。この人はどんな目的があってこんな行動をしたのだろう?」
仕事の遅い後輩をみたとき、
「もし、仕事が遅かったとき、本当に困るのは、誰?」「マイナスを探すのは、訓練なく誰にでもできる。その人の良いところを見つけて口に出すのに、訓練が必要」
同僚を批判したくなったとき、
「批判することは、相手との距離を近づけるか遠ざけるか?」
友人からこうした方がいいと言われたとき、
「相手からの言葉は、単なる情報である。情報を取り入れるか取り入れないかを決めるのは私」
「知っている状態」から、「使える状態」になるためには?
野球のルールを知っている状態と野球のゲームができる状態には、大きな差があります。ゲームができる状態になるためには、実際にバットを振ってみたり、ボールを投げてみたりと、自分で実践することが必要です。実際に体を動かしてみて、やっと野球のゲームができます。
同じように、選択理論の知識を得たら、ロールプレイで実際に口に出して練習をするのです。そうすれば、質問の幅が広がり、質問の質が高まっていきます。何度も繰り返しているうちに、日常生活で、無意識にふっと言葉が出てくるようになります。一度も口に出したことのない言葉が、日常生活で出てくるわけがありません。選択理論も実際に口に出してみると、「知っている状態」から、「使える状態」になるのです。