「あなたのせいで怒っているとは、言えなくなります。今日セミナーが終了して、帰るときには、理解できます」
選択理論ワンデーセミナーで、講師山川遊子先生のお言葉です。
- 子供のせいで私は怒っている。
- 夫のせいで私は怒っている。
- 妻のせいで私は怒っている。
- 上司のせいで私は怒っている。
これらの言葉を、日常生活で使うことがなくなったら、いいですよね。
あなたは、自分で選択して、怒っている?
先生は、日常生活でよくみかける具体的な例をあげました。
エレベーターに急いで駆け込んできた人が、ドンとぶつかってきました。
その時、あなたは、どんな行動をとりますか?
「チェッ」と舌打ちをする。急いで駆け込んできた人のせいで、怒る。
でも、例えばエレベーターに急いで駆け込んできた人が、あなたの会社の社長なら、どんな行動を取りますか?
「失礼しました」と言って頭を下げる。
そうです。エレベーターに乗ってきた人が、私を怒らせたのではありません。
その時その時で、私たちは判断をして、「チェッ」と舌打ちをするのか、「失礼しました」と頭を下げるのか、選択をしているのです。
選択理論では、行動は全て自分で選択をしていると説明しています。瞬間瞬間、日々の行動をすべて選んでいます。
相手がどんな行動を取ったとしても、私たちは、行動を選択できるのです。そして、相手がどんな行動をとったとしても、私たちは、不幸を選択する必要はないのです。
あなたは、怒りを選択する代わりに、どんな行動を選択する?
全ての行動は自分で選択をしていると知ったとしても、すぐに、どんな行動を選択していったらいいのかという実践は難しいですよね。
選択理論では、「知るレベル」から、「実践するレベル」になるには、ロールプレイをすることが近道と言われています。
セミナーでは、先生が4事例のロールプレイをしました。
次のロールプレイの事例は、参加者の皆さんが作ったものです。
- 話をしない息子のせいで、ストレスをためる母
- 家を顧みない夫のせいで、不安を抱える妻
- 優秀な後輩のせいで、落ち込む会社員
- やる気の出ない従業員のせいで、売り上げが落ちたと怒っている店長
それぞれどの事例も、怒りの対象者つまり、息子、夫、後輩、部下がどんな行動をとったかに目がいきがちです。
ロールプレイでは、そこではなく、本人がどうなりたいのかという上質世界を具体的にしていきました。
- 話をしない息子のせいで、ストレスをためる母の事例では、
「息子さんから、どんなお母さんと言われたいのか?」 - 家を顧みない夫のせいで、不安を抱える妻の事例では、
「将来、子供達から、『お父さんはお家のことを顧みない人だったけれど、お母さんは、〇〇だった』と言われるとしたら、〇〇にはどんな言葉を入れたいですか?」 - 優秀な後輩のせいで、落ち込む会社員の事例では、
「同僚や上司から、どんな人と言われたいですか?」 - やる気の出ない従業員のせいで、売り上げが落ちたと怒っている店長の事例では、
「君のお店にどんなことがあったら、従業員は、朝起きたとき、仕事に行きたくなると思いますか?」
どの事例でも、相手がどんな行動をとったかに焦点を合わせるのではなくて、本人の上質世界を聞いて、どうしたいのかに焦点を合わせていきます。
そして、上質世界が具体的になったら、その上質世界を得るために、本人ができることはどんな行動なのかを考えていきます。
実際に、先生のロールプレイを体験すると、「私は、あなたのせいで怒っている」という状態から、いつの間にか「どう行動をすれば、上質世界を得られるのか」という状態に変わっていくことを実感できます。
私たちは、子供、夫、妻、上司、部下がどんな行動をとったとしても、不幸を選択する必要はないのです。私たちは、全ての行動は自分で選択をできるのです。
もし、「あなたのせいで、怒っている」と言いそうになったら、相手の行動に焦点を合わせるのではなくて、自分が相手とどうなりたいのかに焦点を当ててみてください。怒りの代わりに、違う行動を選択しているはずです。
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