認知症の人に何度も同じことを言われたとき、あたたかな対応を読んでほっこりしました。阿川佐和子さんの介護小説「ことことこーこ」を読んだ時のことです。
阿川佐和子さんの小説 「ことことこーこ」
阿川佐和子さんの小説、「ことことこーこ」は仕事と介護に翻弄されるアラフォー女性の奮闘記です。
アルツハイマーのお母さんを介護している長女が主人公。その主人公の仕事仲間が、おうちにやってきます。
お母さん「どちらのご出身なの?」
仕事仲間「九州の〇〇」
そして、お母さんと仕事仲間は、九州の〇〇の地域の話で盛り上がります。
しばらく経ってから、
お母さん「どちらのご出身なの?」
仕事仲間「北海道の〇〇」
そして、お母さんと仕事仲間は、北海道の話で盛り上がります。
聞いていた主人公は、「?????」です。
仕事仲間「まんざら、嘘ではないのよ。九州も北海道も住んでいたことがあるから。せっかくだから、日本一周しようかしら」
認知症で何度も同じ質問する人とも楽しく会話
直前の会話を覚えていない認知症の方は、同じことを何度も話してきます。
でも、話しかけられた方は、また同じ話かとうんざりしてしまいます。
つい、「さっきも言いましたよ」と相手に返したり、言葉には出さなくてもイラっとした非言語情報が伝わってしまったりで、落ち込んでしまいがち。
でも、上記の阿川さんの小説に出てきたように、日本1周しようとゲーム感覚で答えていたら、腹も立たないのでしょうね。
お互いに楽しく会話が弾むには、こんな嘘もありなのだと気づきました。
介護小説なのですが、なんだかほっこりとあたたかな気持ちになりました。
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